工場ツアー
宮城峡編後半です。
ブレンド体験を終え、蒸留所見学ツアーまでの間、昨年新設されたビジターセンターにて開始を待ちます。
ここではニッカの歴史やウイスキーの製造過程を学ぶことができます。
さてツアーが始まり、ビジターセンターから製造設備まで歩いていきます。
宮城峡蒸留所では近くを流れる新川(にっかわ)の水を仕込みに使用しますが、
余市に次ぐ蒸留所の場所を探していた竹鶴が、新川の水でブラックニッカを割って飲み、
その地でウイスキー作りをすることに決めたのは有名な話。
偶然のことでしたが、ニッカの蒸留所が新川の水を使うのは必然だったのかもしれません。
蒸留室に入るとポットスチルが並んでいます。
宮城峡のスチルは、バルジ型でかつラインアームはやや上向き。
これによって重厚な香りの成分がスチル内に残りやすくなります。
それに加えて間接(蒸気)加熱で均一に加熱させることで、スペイサイドを思わせる、華やかでライトな味わいのウイスキーが出来上がるのです。
余市のポットスチルはストレート型でラインアームは下向きでなので、香りの成分が蒸留後の酒にもしっかり移り、
また直火炊きで不平等に加熱されるため、
力強く重厚で、また複雑な味のウイスキーになります。
※写真は4年半前に余市に行ったときのものです。
宮城峡と余市で、全く異なる原酒を作ることで、ブレンドの幅が広がるわけですね。
その後、貯蔵庫を通り再びビジターセンターへ。
ツアーのメインイベント、お待ちかねの試飲タイム。
今回試飲したのは5種類のウイスキーで、酵母や樽を変えるだけでここまで特徴が変わるのだと驚かされます。
試飲中に「竹鶴ノート」のレプリカを見せてもらうこともできました。
ここまで詳細に記されたものは本場のスコットランドにもないため、ウイスキー作りの歴史を知る上で、世界的にも大変貴重なものです。
しっかり読む時間はなかったものの、こういうものに触れられただけでもとても良い経験でした。
ツアーが終わり、蒸留所限定の3種類セットは迷わず購入。
これらを自宅のウイスキー棚に迎え入れるのがとても楽しみです。
と、そんなこんなで至福の一時を過ごした後、山形へ向かうため蒸留所を後にします。
ではでは。